ボディーターンスイングをマスターするための意識とイメージ

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岡本綾子プロのスイングから学ぶボディーターンスイング

ダウンスイングの始動(切返し)は、左肩の脱力と両足の動き!

ダウンスイングを始動する際の僅かな「間(ま)」を持たせることによって、スイングリズムばかりでなく、インパクトまでの腰や肩の回り方、インパクト前後の腰や肩の開き具合、そしてグリップやクラブヘッドの回り方が違ってきます。

岡本綾子プロは、バックスイングからダウンスイングへ切り返す際に、
まず、バックスイングの終盤で左ひざを曲げ、右腕でグリップを固定したら、
曲げた左ひざを伸ばしながら左足を踏ん張ると同時に、
右尻を押し出すように右足つま先で地面を踏み込み
右足から左足へ荷重移動しながらお尻を回しておられます。

両足の動きによる下半身の始動に対して、肩(上半身)はほんの一瞬遅れて回り始め、グリップは振り上げられた位置に固定されたまま、左肩が回り始めることよって左腕が引き下ろされています。

両足を踏ん張ったままお尻(腰)を回そうとか、
上半身を回して左腕を振り下ろそうとかするのではなく、
両足の動きを意識することによってお尻が回り、
お尻の動きに連動して肩が回ることによって一瞬の「間(ま)」が生まれ、
下半身リードのダウンスイングが可能となり、しっかりとした荷重移動とともに、左足をしっかり踏ん張って回転の軸を作ることができます。

この動きは、頭を支点、お尻をおもりにした振り子をイメージして、
バックスイングでは、おもりが右尻に振れるように上体が回り右足に荷重が乗り、ダウンスイングの始動は、左ひざを曲げた時点から下半身を意識して、
おもりが左尻に振れるように、曲がった左ひざを伸ばしながら左足を踏ん張ると同時に、お腹を打球方向に向けるつもりで右足つま先を踏み込み右尻を押し出せば、自然と左足に荷重が移動します。

この下半身のおもりの動きに引かれて肩が回り左腕が引き下ろされる、
ゆったりとしたしなやかな切り返しのリズムがとても大切です。
打ち急いでしまうと、下半身よりも早くグリップやヘッドが落ちてしまいインパクトが乱れてしまいます。

連続写真を見ていると、左足を捻るようにしてお尻を左側へスライドさせて荷重移動しているように見えますが、無理やりお尻を回そうとしてはいけません。
曲げた左膝を伸ばして踏ん張ると同時に右足つま先を踏み込んで右尻を押し出すだけでお尻が回り荷重移動するのです。


つまり、左ひざを曲げてから伸ばす一連の動作が、
バックスイングの終わりであり、ダウンスイングの開始でもあるのです。



右腕の形を固めて右耳の右横にグリップを残し、左腕を引き下ろす!

左の岡本綾子プロのフォームを見ると、
「左ひざを曲げると同時に、右腕をグッと固めてグリップを残し、両足の動きでお尻が回り、それに引かれるように肩が回ってグリップが引き下ろされる」感じです。

トップオブスイングで、左肩は脱力し、右ひじ、右グリップをしっかり固め、右肩僧帽筋を締めてグリップを右耳の右横に残す意識がなければ、ダウンスイング開始と同時に左肩の回転と一緒に左腕が振られてグリップが早く落ちたり、遠心力によって右ひじが伸びたり、右手グリップのコックが緩んでヘッドが膨らんだりしてしまい、
身体の回転に対してグリップを遅らせたこのダウンスイングのフォームができず、スイングリズムとインパクトのタイミングが早くなってしまいミスショットに繋がります。

つまり、ボディーターンで打とうとするなら、クラブを速く振ろうとするよりも、グリップをトップオブスイングの位置(右耳の右横)にしっかり残してグリップエンドでボールを狙ったら、絶対に左腕を振り下ろさずに左肩の回転に引っ張られて引き下ろされるように右腕で我慢する意識とイメージが大切なのです。

ダウンスイング開始直後にグリップが残り、左肩の回転で左腕が引き下ろされた時は、左肩で左腕を引っ張る感覚を感じることができレイトヒットができます。
逆に左腕が振られた時は、左腕を引っ張る感覚を感じられず、グリップやヘッドが早く落ちて肩が充分回る前にボールを捉えてしまい右方向への打球が出ます。


右腰の横、右肩の右前でボールを捉えるインパクトのイメージ!

左ひざを伸ばして左足を踏ん張るのと一緒に、右足つま先を踏み込んで右尻を押し出すように回して、左足に左尻が乗って下のフォームができてから、

右足かかとを積極的に上げ、踏み込んだ左足を軸にして右尻を回し込むことによって、腰が飛球線方向を向くまで腰と肩をほぼシンクロさせて回し、右腰の横右肩の右前でボールを捉えます。

肩はスイングプレーンと平行に回さなければならないので、上体が前傾している分、インパクトでは左肩上がり右肩下がりになり、頭は肩と一緒に回りながらやや右に傾いてビハインドザボールでやや後方からインパクトの瞬間を見るような感じになります。


右肩僧帽筋、右ひじ、右手首の力を決して抜かずに、右足かかとを積極的に上げて、
右尻、右ひじ、右肩の順で回し込むとともに、左肩を左上後方に回し、右ひじを支点にしてクラブをグリップエンドから引き回してボールを弾き飛ばす!


これまで、左腕を振って身体の正面でボールを捉えようとしておられると、
地面と平行に肩を回しながらボールの真後ろからヘッドを打ち込もうとする癖がついています。

そのため、下半身リードでダウンスイングしても、肩を水平に回してしまうとインパクト後に上体が起き上がるように肩が回り上体が左側へ流れやすく、ヘッドが反らずボールのつかまりが悪くなり、右方向への打球が出やすくなります。

肩をスイングプレーンと平行に回すためには、
前傾を崩さずに、肩の回転に合わせて頭をやや右に傾げながら、左肩をやや左斜め上方に向かって回し、ボールのやや内側を狙って右ひじを右脇腹に回し込むように右肩を回し、右ひじでクラブをグリップエンドから引き回すイメージを持つことです。


インパクト前後も腕を振ろうとせず、肩の回転でクラブを引き回す!

岡本綾子プロは、インパクト前後でもコックを解かず手首も反さず肩をしっかり回して、胸が飛球線方向に向かい左肩が左上後方に向かって回り始める直前に、
ハンドファーストにグリップエンドからクラブを引き回すようにボールを捉えて
そのまま肩の回転でリストを反さずに左腕を振り抜いておられます。

インパクト前後では、コックを緩めず、リストを反さず、右ひじを曲げたまま
右ひじが右腰と一緒に回り込みながら支点となって、グリップエンドからクラブを回し込み

左肩が飛球線方向に向かって胸を張るように左上後方に回り、
左腕が引き抜かれることで、ハンマーを叩くようにヘッドが素早く回り込み、
ボールを捉えることによって、

スイングアークが大きくなり、左腕の捻りとフェースの反りが抑えられ、ヘッドは狙った方向を向いたままボールとの接触時間が長くボールを押し出すように振り抜かれ、フェースの反りをなくすことによって横方向のスピンが抑えられ打球の直進性が増します。


多分、インパクトは、ヘッドを打ち込むというよりも
肩を回してグリップエンドからクラブを引き抜くようなイメージで、
左肩、グリップ、クラブヘッドが一直線となってボールを捉えておられます。


インパクト前後で腕が振られる。あるいは、手首を使ってリストが反されるなどの動作は、スイングアークが小さくクラブフェースの向きが急速に変化する要因となり、打球の方向性が乱れやすくなりスイングの再現性が低下します。

これらを極力排除することにより、お尻と肩を回すことのみによってクラブを引き回して狙った方向にボールを弾き飛ばすスイングとなり、
打球の方向性は、左腕の捻り(振り)とか、コックのリリースなどに影響されず、お尻と肩の回転の仕方のみで決まると言っても過言ではありません。

つまり、調整点が少なくシンプルなスイングなので再現性が高く、
腕を振るスイングで身についた間違った思い込みやイメージを排除して、
下半身リードで身体を回すコツさえつかめば修得が容易なスイングなのです。


イチローにも影響を与えていた岡本綾子プロのスウィング

実は、岡本綾子のリズムは、大リーガーのイチローにも影響を与えていた、というのだ。イチローの幼少時代、父・宣之氏は、当時米ツアーで活躍していた岡本綾子のルーティンやスウィングリズムが、常に一定であることに感銘。それを真似するようにイチローにアドバイスしたことが知られている。
振り子打法を考えつくきっかけとなったのも、彼女を真似て、重心を移しながらバットを振ったことに始まると言われている。

イチロー選手のスウィングは、常にムダな力みを感じさせず、そのリズムのよさがヘッドスピードとエネルギー効率につながっている。
世界を狙えるアスリートは、究極のリズムとテンポを身につけているものなのだ。

「週刊ゴルフダイジェスト」 - 2013年5月7日号より